保育実習受入れ要項
1 実習受け入れの意義
保育実習の意義は、養成校などで学んだ専門の理論や知識、技術を具体的に
乳幼児とのふれあいを通して体験することである。その中で、いろいろな状況
や問題にぶっかり、積極的に一つ一つ認識し、解決する手だてを学び、保育者
として求められる資質や能力、技術を習得することである。
実習生を受け入れる保育園としては、次世代育成を担う保育士の養成に協力
し、より効果のある実習が実施できるよう努めなくてはならない。そのために
は、実習生に対して適切な助言や指導をし、温かさ・思いやり・厳しさを持っ
て接することが大切である。また、保育者自身も自分の保育の見直しの機会と
捉え、保育内容を向上させる努力をすることも大切である。
2 実習の目標
- 保育実習T
- 保育所の役割と機能を理解する
- 乳幼児を観察し理解する。
- 保育士の役割と仕事内容を理解する。
- 多様な保育内容を理解する。
- 保育実習U
- 乳幼児の発達を理解し、保育を計画・実践する。
- 保育士としての資質・能力・技術を習得する。
- 多様な保育内容に参加する。
- 家庭と地域の子育て支援について具体的に学ぶ。
3 実習内容
- 実習前
- 名古屋市の保育状況(「保育所のご案内」名古屋市健康福祉局児童家庭
部保育課編参照)
- 園の概要説明(各園のしおり参照)
- 名称、設置者、設立年月日(沿:革)
- 所在地、電話、地域の環境
- 配置図
- 定員及びクラス編成、職員構成
- 保育時間(開園〜閉園)、勤務体制
- 保育目標、保育内容、デイリープログラム、年間行事予定
- その他
- 注意事項
- 所持品・服装・提出物
- 印鑑、昼食用弁当を持参する。弁当は担当クラスで一緒に食べる。
- 服装は清潔で活動的であり、ハンカチ、チリ紙、メモ用紙が入るポ
ケットのあるものを着用する。指輪、ブローチなど華美なもの、危
険なものは身につけない。
- 上靴、下靴を持参し、帽子を着用する。
- 名札は危険のない物を着用する。
- 提出物は決められた日に必ず出す。記録はボールペンまたはペン書
きにし、誤字・脱字等に気を付けて記入する。
- 実習時間
- 実習時間は職員の勤務時間に準ずる。
- 平日8:30〜17:00、土曜日8:30〜12:20とする。
- 休息は45分以内とし、実習中に早番、遅番を実習する。
- 実習上の留意点
−児童に対する事項−
- 保育園の保育方針を尊重し、特に安全保育には留意する。
園舎内 | … | 保育室(机・いすの取扱い、手洗い場付近、出入口
の戸、タオルかけ、ロッカー)
遊戯室、廊下、トイレ、沐浴室、テラス、その他 |
園庭 | … | 固定遊具、門・出入り口、その他 |
園外 | … | 登降園時の交通安全教育、園外保育 |
その他 | … | 遊びの約束、緊急時の対応、衛生疾病予防など |
- 園長からあらかじめ非常時の際の注意を受け、適切な行動をとるよ
う心がける。
- 児童に対し、公平な愛情と親しみをもって接する。
−園長、職員に対する事項−
- 保護者等からの保育園に対する連絡事項は、ただちに担当保育士ま
たは園長に報告する。
- 指導案は事前に担当保育士に提出し、指導を受ける。
- 反省会は実習期間内で1回は持っ。
−保護者に対する対応−
- 保護者に対しては、実習生の判断のみで行動せず、担当保育士と一
緒に接する。
- 秘密の保持義務
- 実習の中で知り得た児童の特性、家庭環境等についての秘密は守る。
- プライバシー保護の観点から、すべての記録に個人名は書かない。
- 写真撮影はしない。
- 実習の心構え
- 常に課題意識を持ち、意欲的に学ぶ。
年齢の発達についての事前研究
保育内容上の具体的課題…天井飾り、壁面装飾、集会の計画など
- 学生であると同時に、保育者であることを自覚し、良識ある態度で
のぞむ。
- 心身の健康管理に努める。
- 備品はすべて許可を得て使用し、使用後は必ず戻しておく。
- 整理・整頓・掃除などを含め、保育室の環境構成に注意を払い、環
境美化に努める。
- 施設内では全面禁煙、携帯電話の使用は禁止する。
- 欠席について
- 交通手段
- 原則として徒歩、自転車、公共交通機関とする。その他の場合は保
育園と相談する。
- 災害時の取り扱いについて(養成校の指示を前提とする。)
−暴風警報が発令された場合−
- 警報が解除されるまで、自宅で待機する。
- 正午までに警報が解除された場合は、できるだけ早く実習園に出席
する。
ただし、家屋や道路の被害、交通機関の乱れ等がある場合は、実習
園に連絡をする。
- 正午を過ぎてから警報が解除された場合は、その日は欠席とし実習
園に連絡する。
- 実習中に発令された場合は実習を中止し、帰宅する。
−「東海地震注意情報」が発表された場合−
- 自宅で待機する。
- 実習中に発表された場合は実習を中止し、帰宅する。
- 注意情報が発表された場合、大きな社会的混乱が予想されることか
ら、実習の再開等については、そのときの状況をふまえて判断する。
−その他−
- 見学
- 施設
- クラス(状況に応じて、園児とふれあう時間をもつ。)
- 実習中
- 観察実習
- 一日の保育の流れを知る。
- 子どもの行動を観察し、個別及び集団行動を理解する。
- 保育士の役割、援助の方法を学ぶ。
- 参加実習
- 担任の指導を受けながら、助手的な仕事に参加し、体験的に学ぶ。
- 乳幼児の安全、衛生面での配慮の仕方を学ぶ。
- 環境整備の仕方を学ぶ。
- 絵本、紙芝居、手遊びなどの実習をする。
- 保育内容上の具体的課題に取組む。(室内装飾・手作りおもちゃ等)
- 責任実習
- 子どもの個人差や子ども同士の関わりを理解し、対応の方法を学ぶ。
- 指導計画を立て、主になって保育する。(半日・一日・部分(おたのしみ会等))
- 日々、技術や方法などについて指導を受け、次の実習に生かす。
- 職員間の役割分担やチームワークについて理解する。
- 家庭との連携の方法を理解する。
- 子どもの人権尊重について理解を深める。
- 実習後 (実習終了後)
- 実習を通して得た問題や課題を確認する。
- 総括的な助言や励ましを受ける。
附則
この要項は、平成17年6.月1日から実施する。