(前文より一部抜粋)
民間保育園はこれまで、乳児保育・障害児保育・長時間延長保育・一時保育・子育て支援事業など、時代の要請に応えて先駆的に多様なニーズへの取組みを積極的に進めてまいりました。そして近年、子どもをめぐる環境が悪化している中で、乳幼児期の子どもの育ちに責任を負う保育園に対する市民・行政の期待と役割は益々高くなってきています。
そこで私たちは、民間保育園に対する社会的信頼に向けた確固たる決意を示すと同時に、私たちが極めて重い公的責任を負っていることを自覚し、適正な運営を行うための指針を定める必要があると考え、このたびの倫理綱領の制定に至りました。
この倫理綱領が、私たち保育事業を担う者の良き指針となり、民間保育事業が今後更に輝きを増し、発展することを願ってやみません。
平成18年8月22日
(社)名古屋民間保育園連盟
会長 黒田優
名古屋民間保育園連盟 倫理綱領
保育園は、児童の権利条約・児童福祉法の規定に基づき、乳幼児の保護と健やかな発達、並びに、保護者の就労等による社会的参加と家庭保育との両立を保障する児童福祉施設です。よって、名古屋民間保育園連盟は、保育園がおおむね公的資金による運営であることと、子ども・保護者・社会に対して極めて重い責任を負っていることを深く自覚し、ここに、倫理綱領を定め、私たちの基本姿勢を明らかにします。
子どもの最善の利益を第一に
- 私たちは、一人ひとりの子どもの最善の利益を第一に考え、養護と教育が一体となった乳幼児期の保育を通して、子どもの生きる喜びと生きる力を育み、児童に対する福祉が増進するように努めます。
- 私たちは、保護者の人種・国籍・性別・年齢・身体的精神的状況・宗教的文化的背景・社会的地位・経済状況の違いにかかわらず、子どもの人格・人権を尊重します。かけがえのない存在である子どもたち一人ひとりが、その個性を大切にされ、安心して自信を持って過ごせるように支援します。
- 私たちは、子ども・保護者のおかれた状況や意向を受け止め、共に考え、保護者とより良い協力関係を築きながら、子どもの育ちを支え、保護者の子育てを支えます。
保護者・地域・関係者との相互理解・連携
- 私たちは、保育事業の提供において、保護者・地域・関係者との相互理解を高めるために、公正かつ適切な情報を提供します。
- 私たちは、保育事業の提供において生じる子ども・保護者・近隣住民の苦情を適切かつ迅速に処理できるように苦情処理体制を確立します。
- 私たちは、個人情報を正しく取り扱います。いかなる場合もプライバシーを保護し、市民が子育ての悩みや疑問を安心して相談できる環境を提供します。
- 私たちは、地域の特性を考慮し、地域の人々や関係機関との協力関係・ネットワークづくりをすすめ、子どもを育てる地域環境の向上に努めます。
自らの資質向上に対する責務
- 私たちは、名古屋民間保育園連盟の会員の責務として、社会福祉・保育事業全体の向上に自ら努力するとともに、相互支援と相互研鑽に努めます。
- 私たちは、職員に対する研修・教育を積極的かつ計画的に行い、児童福祉施設職員および、管理責任者としての専門的資質を高めるように努めます。
- 私たちは、保育園の運営はおおむね公的資金によるものであることを自覚し、公正な運営を行います。そのために、内部牽制体制の確立や外部監査体制の充実、経理の公開等に努めます。
- 私たちは、保育料以外の利用料の徴収にあたっては、使途を明確にします。
- 私たちは、社会的信頼にこたえ、自らの事業運営を常に正し、誠実な運営に努めます。
2006年6月22日
社団法人 名古屋民間保育園連盟
